家具デザイナー・村澤一晃さんと國本建築堂で進めている共創プロジェクトのワークショップを行いました。
プロジェクトの構想から約一年。二つのプロダクトが完成し、そのレビューと新たな案件について、施主を交えて打ち合わせを行いました。当日は、広島市の工務店仲間であるオキタさんの社長、そして若手スタッフの皆さんにもご参加いただきました。
村澤さんは、これまで数多くの家具メーカーと家具づくりに携わってこられたデザイナーです。
その村澤さんが、工務店である國本建築堂と取り組んでいるのは、家具メーカーではなかなか実現しない家具を、大工とともにつくり上げるという試みです。
今回完成した最初のプロダクトが、壁付けシェルフ「Raami(ラーミ)」です。
“Raami”とは、フィンランド語で「枠」を意味します。主役を引き立て、境界をつくり、そこにあるものを静かに際立たせるための家具です。
ワークショップでは、村澤さんと制作を担当した大工から説明があり、参加者からは多くの質問や意見が交わされました。使い方や今後の展開に向けたヒントも得ることができ、途中には突然の「金額当てクイズ」も(笑)。想定していた価格から大きく外れておらず、ひと安心でした。
あわせて、実際にRaamiが設置されている物件「TOAMI」も見学しました。

午後は、もう一つの完成プロダクトであるソファのお披露目です。
一棟貸しの宿のリビングスペースに合わせ、L字型のソファを制作しました。まず目を引くのは、発色の良い黄色のファブリック。これは、村澤さんが以前デザインした列車の座席と同じパターンを採用しています。
一見すると固定式に見えるこのソファですが、実はキッチン側は可動式となっており、対面での使用も可能です。宿泊施設という用途を踏まえ、さまざまな使われ方を想定した柔軟な設計としています。
ソファに合わせたテーブルは、見た目の圧迫感と使い勝手のバランスを考えた高さに設定し、社内の大工がデザイン・制作しました。

最後に、現在リノベーション工事が進行中の物件へ移動し、施主を交えてダイニングテーブルのアイデア出しを行いました。実際の空間に身を置きながら考えることで、より具体的なイメージが湧いてきます。当初は固定式のテーブルを想定していましたが、意見を重ねる中で、可変的な使い方ができる方向へと方針を見直すことになりました。
照明計画についても再検討が必要となりましたが、オキタさんから良いアイデアをいただくことができました。現場で、多様な人と意見を交わすことの重要性を改めて実感する時間となりました。

本プロジェクトは、まだ始まったばかりで試行錯誤の段階ではありますが、少しずつ皆さんにお披露目できるフェーズに入ってきています。
今後もウェブサイトやSNSを通じて発信していきますので、ぜひご期待ください。
