外壁
Technical
メンテナンス性に優れた自然素材
國本建築堂では、外壁はメンテナンス性に優れた自然素材のものをご提案しております。その中でもよく採用している素材が、焼杉とそとん壁です。自然素材の場合、経年変化による趣を楽しめるのが醍醐味の1つとなっていますが、その他に具体的どのようなメリット・デメリットがあるのか紹介いたします。
1.焼杉
焼杉は古くから日本家屋に使われている伝統技法です。杉板の表面を焼いて炭化させることで、防腐・防虫・防炎効果を発揮し、耐久性に優れています。特に、瀬戸内地域でよく使われていて潮風による塩害から家を守ってくれています。
1-1.焼杉のメリット
メリット① 優れた耐久性
焼杉は、十分な炭化層を確保したうえで適切なが施された場合、ほぼメンテナンスフリーと言われるほど耐久性が高いです。これは表面の炭化層が風雨による木材の腐食を防ぎ耐久性を保っているためです。この炭化層が厚いほど耐久性は高くなります。
メリット② 経年美化
木材ならではの温もりもありながら、炭特有の光沢感と凹凸模様のある味わい深い黒色がとても魅力的で意匠性に優れています。また、経年に伴い表面の炭化層が少しずつ剥がれ色味が変わっていく様子を楽しめるのも焼杉ならではです。
メリット③ コスト
焼杉はほぼメンテナンスフリーと言われています。ガルバニウム鋼板や多くの住宅メーカーなどで用いられているサイディング材が10~15年で塗り替えのメンテナンスが必要となっていますが、焼杉は外部からの損傷で炭化層が剥がれた等のアクシデントがない限りメンテナンスの必要はありません。また、損傷が生じてもその板だけ張り替えることができます。杉板そのものが安価で手に入りやすいので、全体的なコストを低く抑えることができます。
1-2.焼杉のデメリット
デメリット① 触ると汚れる
表面が炭なので、触れたり、うっかり寄りかかると汚れてしまいます。小さいお子様がいる家庭だと気になる方も多いかと思います。実際に焼杉を採用されている方のお話を聞くと「汚れると分かってからは触らなくなった。」という声が多いようです。
デメリット②木の反り返り
木の性質上、経年とともに杉板が反り返ることがあります。多少の反り返りであればこれも味わいとして楽しめますが変形が激しいものや、割れが生じたものはその箇所だけ張り替える必要があります。
2.そとん壁
そとん壁は、火砕流によって流れ出たマグマの成分が堆積した「シラス」からできた外壁材です。シラスは、細かい微粒子の中に無数の穴が開いた複雑な構造をしており、その中に臭いや化学物質を吸着してくれます。さらに除湿剤の原料であるケイ酸を主成分としているため調湿効果に優れています。
2-1.そとん壁のメリット
メリット① 完全防水
そとん壁は自然素材でありながら完全防水機能を持っています。シラス外壁材は、下塗り材と上塗り材の2 層構造になっており、下塗り材には超微細なシラス粒子を使用しているため雨水を通しません。ちなみに、軽量モルタルの場合、表面の防水塗装がないと水が建物内部まで浸み込んてしまいます。
メリット② 透湿効果
多孔質なシラスは、透湿性に極めて優れています。表面の防水塗装が要らないため、壁内部の湿気が壁表面から放出され、建物を湿気による結露やカビの被害から守ります。
メリット③ 高耐久性
シラスは無機質の天然セラミック素材であるため、紫外線や雨風による退色・劣化がおきにくく、汚れも付きにくです。経年による防水性の劣化もおきにくいため、基本的にメンテナンスフリーで性能を維持してくれます。
メリット④ 断熱・保湿効果
シラスは無機質の天然セラミック素材であるため、紫外線や雨風による退色・劣化がおきにくく、汚れも付きにくです。経年による防水性の劣化もおきにくいため、基本的にメンテナンスフリーで性能を維持してくれます。
2-2.そとん壁のデメリット
デメリット③ ひび割れのリスク
左官塗で仕上げるため、地震などによってひび割れするリスクがあります。ただ、ひび割れ防止の下処理を行っているため可能性は低いです。もし、ひびが入った場合でも補修キットがあるため、低予算で補修することが可能です。
デメリット④ 初期費用が高い
他の外壁材と比べて初期費用が高いです。ただし、基本的にメンテナンスフリーなため、維持管理費も含めた長期的なコストパフォーマンスを考えると優れた素材だと考えられます。